Thinking

学識なき無知

私は中国、日本を中心に東洋史や文化にも関心があり、世間的には仏教学を専攻していることにさえなっているのですが、現在の世界を見る限り、認識の仕方、表現の形式、解釈の手段に至って近代西洋の形式から影響を受けていないものは探すのも困難であり、近…

迫り来るマルティンの影

感情を中心にして色々考えるというのは面白いのですが、近代批判の文脈に沿って行う以上、理性によって抑圧されるものすべてが関心の対象になってこざるをえません。哲学や思想と呼ばれるものをこの視点から眺め直そうとしているのですが、ディルタイやジン…

守ってばかりじゃいられない!!

感情について考えていると、どこかハムレットに似てくるのかもしれません。そして「大切なのは理解じゃない、愛することだということ」。そんなふうに、すでに私は答えを知っているのかもしれませんが。けれど、また感情のことを考えれば、そんな風に牧歌的…

About Emotion

感情を巡る問題に囚われているので、取りあえず日本ではそれがどのように捉えられてきたのかを考えてみる。 こんな時には類語辞典が便利で、語彙のレベルに限るとはいえ、ある程度は把握できます。その印象を言えば、感情とは実に不安定なものだということ。…

理性と自然

ユリシ−ズの逸話と理性の話は、フランクフルト学派のテオドール・アドルノの書物のなかに出てきます。 彼は、近代が理性の絶対性を唱えてきたのに対し、アウシュビッツ等を例に出しながら、理性そのものが持つ野蛮性を暴き出しました。 ユリシーズが旅から帰…

夢の生まれる処

Symbole/Symbol(象徴)について少し考えてみます。象徴はどのように定義されているのでしょうか。① 慣習的象徴 これは、非常に広い意味である仕草や物が特殊な意味を付与されていることですね。 例えば、結婚式での指輪交換(=忠実の約束)、花言葉(ユリ=…