Belle & Sebastian / If You're Feeling Sinister (1997)

julien2004-02-28


ベル&セバスチャン、通称ベルセバスコットランドグラスゴーで結成された7人組で、バンドなんだか共同体なんだか、インタビュー嫌いで有名だった彼らはずっと謎の存在でした。
これは出世作となった2ndで、帯にはニック・ドレイクの再来か?って書いてあります。確かにこの雰囲気には共通するものがありますね。
彼らは、いつもモノクロセピアなジャケットがスミスっぽかったし、優しい音からは想像もつかない辛辣でウィットに富んだ歌詞も、そこはかとなく寂しさを感じさせてくれて、いつも特別な存在でした。リーダーのStuart Murdochをはじめとする7人が奏でる音は、パステルズのいるグラスゴーこそのアコースティックなサウンドに、ピアノやハープ、ストリングスをあわせたアンサンブル。誰でもアルバムを再生させるとすぐにその魔法にかけられて、もう抜け出すことができなくなってしまう・・・。この感じはフレンチポップスに近いかもしれない。
4枚目のライナーにはスピッツ草野正宗のコメントが寄せられていたり(彼がベルセバ好きなのはすごく良く分かる)、2年前の来日に私は行けなかったけど、日本でもしっかりみんなのハートを掴んでるんだな、って思う。
残念なのは、もう一人のスチュワート、Stuart DavidとIsobel Campbellが抜けちゃったこと。その影響があるかどうかは不明だけど、最新作のプロデューサーは、なんとT.A.T.uの大ヒットで復活したトレヴァー・ホーン。でも、なんか違うんです。4枚目で音が華やかになったなあ、って思ってましたが、華やかさを越えて派手になりすぎちゃった感じで。メロディは変わらずに綺麗なままだけど、ガラス細工のようだったこの雰囲気は、いちど壊れてしまったら直せないものなのかな。初めて聞く人には問題ない作品ですけど、初期の作品の雰囲気にも触れてほしいと思います。
ASIN:B00000JHAU