ポップス奥の細道 〜二十三日目

この企画を続けていたのを忘れそうになってました。
そういえば、最近ディアゴスティーニからオールディーズのシリーズがCD付きで発売されて驚き。当時を懐かしむ人を対象にしてる面もあるのでしょうが、たくさんの人に聞いてもらえたらいいな、と思う。

118 Joe Jones / "You Talk Too Much" (1960)


まずタイトルいいですね。「おまえ、喋りすぎ」ってとこか。うっ、と胸が痛くなる側面もなきしもあらずですが。そういえば、ストロークスに同名の曲あります。でも、あまり関係はなさそう。
そして、これは本当にいい曲。空高く晴れた日の青空のように伸びるサックスのフレーズから始まるとってもポップなR&B。そして、サビがないというか、サビしかないというか、ひたすら同じフレーズを繰り返すだけなんですが、ほのぼのしてて気持ち良い。ジョーはニューオーリンズの人なのですが、こんな素敵な曲が流れる街に早く戻ってほしいです。あの場所にあったのはジャズだけじゃあないのでしょうから。


119 Barrett Strong / "Money (That's What I Want)" (1960)


ここからモータウンの時代の始まり。モータウンのシングルヒットを集めたボックス(持ってない)の最初の曲は、バーレット・ストロングが歌うこれです。それにしても、凄いタイトル。「金、それこそ僕の欲しいもの」。まんまというか笑いそうになる。
そんな意味でも、この曲はタイトルに負けないくらいに強烈でどぎつくて、最高にかっこいいビート。俗に言うモータウンビートとはちょっと違うんですが、ベリー・ゴディがいかにも好きそうなこの重さはたまらないくらいに最高。腰が動く。
でも、この人、それほど歌手では有名ではないらしく、どちらかといえば作曲家としてのほうが有名。テンプテーションズでたくさんヒット曲を書いてます。となると、モータウンのボックスセットは再評価の一貫だったのでしょうか。


120 Smokey Robinson & The Miracles / "Shop Around" (1960)

121 Smokey Robinson & The Miracles /                                                         "You've Really Got A Hold On Me" (1962)

122 Smokey Robinson & The Miracles / "I'll Try Something New" (1962)

123 Smokey Robinson & The Miracles / "Mickey's Monkey" (1962)


モータウンと言えば、やっぱりこの方。ウィリアム”スモーキー”ロビンソン。
超名曲な「涙のクラウン」はだいぶ先(70年)の曲ですが、この時代から実力は振りきれるくらいに全開。スロウでメロウなバラードから、モータウン節爆発の曲まで、とにかく名曲名唄のオンパレード。ベスト盤ないとお話になりません。
そして歌詞。ディランをして「ポップス史上最高の詩人」なんて言わしめる言葉のセンスですけど、ネイティブでもない僕には真価はずっと分からないのかもしれない。でも、とにかくこの人はパーフェクト。だけども、音楽好きじゃなかったら、絶対に出会ってない人かもしれない。そう考えると少し恐いくらい。それくらいに大好き。