Franz Ferdinand / You Could Have It So Much Better (2005)


思えば、去年の2月に1stを視聴後に即買いして「これには絶対にみんな反応するだろう」といったことを日記に書いた記憶があります。そうしたら、あれよあれよと言う間にアメリカでも大ウケ、日本でも夏にはお祭状態、気付けば去年の顔みたいになっていた。正直に言えば、その頃はもう熱も冷めて、こいつら絶対に山師かピエロ、バウハウスというよりも完全に構成主義で統一されたアートワークも、ほとんどジョークだと思っていました。PV、本当にキッチュだし。
「ふーん、2nd出たんだ。どうせ前作の焼き直しか縮小再生産だろう」と2,3回聞いて糸冬 了..._〆(゜▽゜*)・・・のつもりが、気付けば凄いヘビロテ。一昨日から歩いている時はこればかり聞いてる。
うーん、コメントしにくいんですが、こいつは確かに物凄く良い。最高レベルで。
全体の印象で言えば、前より音が多彩になった。まあ、表面上はほとんど変わらないのですが、メロディといい演奏といい、よくぞここまで、と思えるほどにスーパーポップで、内容面でも前作以上なのは絶対確実。
聞き込めば、音の構成が実に繊細かつ緻密に作られているのが分かるんですが、なんじゃこりゃにバカみたいに突き進むリズムも超強烈。密度の濃さも尋常じゃない。なんなんだ、これ。いやあ、本当に凄い。凄すぎ。プロデューサーをトーレ・ヨハンソンから変えたのも大正解で、前作でこの気狂いぶりは抑えられてたのね。
ただ、それでも、どうにも存在にはうーんとなってしまうんで、これぞ大傑作、とは大声じゃ言いにくいし、素直に騒ぐことにはとてつもない抵抗を憶えながら(屈服はしない)も、聞いている時は文句なしに楽しい。もう、降伏してもいいのかな。
それに、構成主義にしても、いわゆるアートデザインっていうのは、教科書で読むほどに崇高なだけのものでもクールなものでもなく、どこかに茶らけた感覚ってあるんじゃないのかとさえ思えてきた。
とにかく、正真正銘にとんでもない連中デス。歴史的傑作、とか言うのは嫌だけど、こいつらがフロックなピエロじゃないことは間違い無い。うがって言っても、本物の道化師なのは確かなのよ。で、こういう連中が時代を作ったりするのね、としみじみ思った。全曲シングルカット行けの95点。