BabyShambles / "Fuck Forever" (2005)


ようやく出たベイビーシャンブルズの2ndシングル。
舐めたタイトルの曲だと思った。この人の場合は、狙ってるとかそういうこともなく素直に悪意でやってるんだろうけれど。ジャケット見てよ、このセンス。銃持った子供に購入規制シールだよ。ピーターさ、笑えないよ、あなた。いい加減にしてくれ。
今となっては懐かしいとしか言えないリバティーンズのデビュー作。あの頃のインタビューは、どれを読んでも文学好きで繊細なピーターしかいなかった。自分たちがバズコックスに喩えられるのを素直に喜んでた。「だって、あんな最高の曲を書いた人達と自分達がくらべられるんだよ。こんな嬉しいことってないじゃん」とか言ってた。
だから、色男のカールが才能でひっぱり、それにアートな色彩をつけているのが不気味な笑みで純粋に笑うピーターだと思ってた。
でも、事実は違って、カールにあるのは切ないナルシズムだったのね。本当はすべてこの男の天才が生み出していたってことにみんな気付いた、しかしもう遅い。だから、一人になって半分狂ったこの男がイースト・ロンドンにクラックをばらまいて、パンクの破壊性じゃなく、自虐性を強めてるとしても、もうリバティーンズは元に戻りようがない。どれだけゲイルのドラムが巧かろうが、カールがソロで歌おうが、もう遅い。なぜって時代はこの男と一緒に死にたがってるようにしか見えないから。もう遅い。こいつが歌い出した時にもう手遅れだったんだろう。
この男は破格に異常で狂っていてかつ繊細で天才で、それでいて誰も彼を救おうとはしない。みんな狂信的な信者にしかなれない。なんなんだよ、この時代は。久しぶりに顔を見たけど、目のクマといい、この人は、もう生きているのか死んでるのかさえ分からなかった。もういいや、死んでいいよ、と思えてくる。で、泣きながらこいつの歌を聞くよ。それでいいよ。
しかし、この曲のギター、しつように繰り返す下手なフレーズ聞いてると、やはりこの人しかいないんだな。テクニックとかスピードとか、そういう次元の話じゃない。どうにも嫌なんだが、こいつくらいしか本物がいないってことを思い知らされた。気付けば、こればっかり聞いてるんだよ。他がクソに見えて当然じゃないか。死に向かってる人間が最高なんてさ。最低だ。反吐が出る。
こいつは一人にすればいいんだ。こいつの周りに集まる連中がクソなんだ。でも、誰も逆らえないんだろうな、この凄さの前じゃ。。
これ聞いてると、前のシングルが素直な曲に聞こえてくる。確実に言えるのは、前のを遥かに凌駕してます。世間的な評価は違うでしょうが、ね。で、たぶん、10月に出るアルバムはえらいことになってるんだと思う。恐いよ。絶対に買うけどさ。。

Because a baby shambled in the world, My "Word" was a shambles as a baby. Fuck!!  by julien