Röyksopp / The Understanding (2005)


ロイクソップの4年ぶりの新作。衝撃ではデビュー作ほどではないし、あの空気とはずいぶん違うなとは思う。ダウン・ビートというよりは、もっとクリアで白昼夢のよう。ただ全曲が圧倒的に美しい。そこらに氾濫してる安っぽいダンス・ミュージックとは完成度が全然違う。何度も、何度も、たぶんこの先もずっと私はこれを聞いているでしょう。
歌として、音としてのこの存在は、前よりもずっと強い、朝方のあの疲労の入り混じった時間がそのまま昼の光のもとへと溢れたよう。夜は、永遠じゃない。
それにしても、「あなたのいない美しい日」なんて、ロイクソップじゃないともう描けない世界なのかも。報われない愛なんて、もう誰も望まないのかしら。過ぎ去ったものは、明日には過去になるの?夜は永遠じゃないけれど、昼はその先の続き。疲れて眠る私は、その延長上で夢を見る。
"Only This Moment"、"Beautiful Day Without you"、"Alpha Male"の3曲は文句無しに名曲。"Someone Like Me"は全作が好きだった人も納得するロイクソップの世界。
タナソウが言う通りに、エールの”Moon Safari”のあの世界に近いものがここにはあります。踊るのにこんな最高のBGMもない。