The White Stripes / Get Behind Me Satan (2005)


Styles : Garage Rock Revival , Blues Rock , Indie Rock
相変わらずセンス良すぎなジャケ。でもって、この人達の場合はジャケの微妙なイメージの違いがそのまま音の違いになっているというか、音を巧くイメージで表現しているというか。二人とも19Cの南部っぽい服装してますが、実際にブルーズ色濃いです。タイトルもロバート・ジョンソンを意識してるのかしら。ただし、変わらずにメロディはポップでスゥイート。
前作といちばん違うなあと思うのは、あの必殺ギターの存在がずいぶんに弱められているということ。その結果、タイトなドラムは相変わらずですが、ピアノやマリンバといった音の一つ一つの輪郭がくっきりしてて、とにかくクールでスマートで、曲も音も構成的。音空間の作り方は絶品です。あんなにギター巧いのに、ギターも音を作る一つの要素として扱えるというのが凄い。普通なら武器にするだろうに。
もう全編に渡って凄まじいセンスとしか言いようが無く、ここまでくると完璧にアート。一応、一般的に言われるスタイルを上に書きましたが、はっきり言ってガレージ・ロックがうんたら、ロックンロールはどうだとかもうどうでもよいです。昔の音の焼き直しだとか、アホなことは何も言わずに聞いていればよろしいってことで、ジャック・ホワイトは超天才だね。唯一無比にストライプスはストライプス。
M1"Blue Orchid"では"Seven Nation Army"のような必殺のエレクトリックギターが炸裂してますが、PVは平俗を超えちゃったようなゴシックなムード爆発でびっくり。ただ、流れが素晴らしい分、曲は地味かな。がんがん踊れます、みたいなテンションの曲はほとんど無い。家でじっくり聴きたくなる作品。夕方とかに聴くと良いですね。そういう意味で好き嫌いが激しく分かれるんではないかと思われます。個人的にはヘビロテ。