Orbital / Work 1989-2002 (1989-2002)


Styles : Ambient Techno , Electronica
久しぶりに、2,3年前の解散後に出たOrbitalのベストを聞いていましたが、彼らのシングルは難しいことも言わないので聞きやすく(死語と化したエレクトロニカも好きだったりしますが)、何より、ポップを当時の時代にとっていちばんクールな形で表現した彼らは普通に好きです。これは素晴らしい90年代のポップミュージック集です。クラブに詰め込むのは勿体無い。
そういえば、私はテクノというか、瑣末なカテゴリーには全然詳しくないのでよく知りませんが、こういう系統が専門の人には、彼らはもう「古い」らしく、今となっては懐メロとか言われてるとか。でも、ある意味、いまだにギターやドラムから完全には自由になれない(というかなる気さえない)ロックというジャンルが好きな人間に言わせてもらえれば、そういう発言を聞いても、何を言っているのかさえ分からず、そういうものなのかなぁとしか思えません。常に新しいものへと進み、古いものはよりプリミティブなものでしかないんですかね。うーん、やっぱり分からない。クラブがそういうものを求めているのなら、オーディエンスにも問題あるんじゃないかと思います。リスナーはもっと自由でいいんじゃないかなぁ。だって、こんなに良い音楽が古くてダメとか、本当に分からないです。チャック・ベリーは50年代の人だけど、古いとか言う気にもならないし。
新しいものは今の時代で呼吸をしているし、どこかで繋がる部分を感じられて安心するところもあります。それでも同じように過去の音楽を聴いているのは、古いものにもちゃんと居場所があるからだと思うんです。単に、それをリアルに聞いていた人たちがまだたくさんいるっていうことだけじゃなくて、歴史も時代も大きな積み重ねだから、ちゃんと今の時代にも存在してると思う。人だって「死んだら終わり」なんじゃなくて、誰かの記憶として、ひそりとかも知れないけど時代の空気のなかに存在してる気がする。
大好きなシャンソンに「詩人の魂」という曲があります。音楽も、人も、何もかも、こんな風に、でも、静かに誰にも気付かれなくても消えないものじゃないんでしょうか。そんな風に音楽と一緒にいられるから、私は音楽を聴くのを止められないんだと思う。

とか長々書いた割りには、別段、ロダンが作った男みたいに考え込みながら聞いてるわけでもなくて、春の夜に窓を開けて煙草を吸いながら聞いてると気持ち良いなぁ。
って、全然オービタルのこと書いてない(;・∀・)
オービタル最高!以上。

詩人たちが死んで、ずっと、ずっと、ずっと経ってからも
作った歌は、まだ街を流れている
それを歌うみんなは作者の名前を知らずに、何気ない
誰のために胸がときめくのかも知らない


あるときには、ちょっとした言葉の言い回しを変えてしまう
そして、言葉を忘れた時にはただこうする
ラララ、レ・・と
ラ、ラ、ラ、ラ・・・レとやる


詩人たちが死んで、ずっと、ずっと、ずっと経ってからも
作った歌は、まだ街を流れている
詩人の軽やかな魂 それは詩人の作った歌
人の心を楽しくも悲しくもできる力がある
それが娘でも、青年でも、ブルジョワでも、芸術家でも、宿無しだろうと・・・