勝手に選んだ2004ベスト その壱

さて、今年も大量に音楽を聴いたわけですが、その中でも今年発売の作品のなかでの私的ベストはなんだろかと考えてると、意外とロック系が少ないんですね。
こないだのはてなオフ会の折に、eureka-30さんからThe Streetsの2ndがあちこちで評判良いと聞きましたが、「確かにそうかも」なんて思いましたね。僕はポップ・ミュージック大好きな軟派リスナーですけど、人生のBGMにしかならないようなポップなラップばかりが溢れているなか、マイク・スキナーのライム&ビートは圧倒的。彼の言う「優れた音楽は、映画を観ている時のように、自分が生きているということを忘れさせてくれる」ということが、じわじわと伝わってくるようで衝撃でした。でも、これは単なる逃避主義じゃないんですね。考えたこともなかったことなので、まだ完全に実感できないのですが。
とりあえず、今年はロックよりもブラック寄りの作品のほうが圧倒的に印象強かったです。Beastie Boys、N☆E☆R☆Dとか諸々。
2004年発表の作品で自分が聞いたものは60枚ほどですが、ソロ・アーティスト(&ユニット)と、バンドでそれぞれベスト10を選んでみることにしました。選考基準はありません。主観だけ。 要するにジャンルめちゃくちゃで、その割りに範囲も狭いです。
まず今日は、アーティスト、ユニットです。

2004 Best Artist















1. The Streets / A Grand Don't Come For Free
2. Melissa Etheridge / Lucky
3. Courtney Love / America's Sweetheart
4. Air / Talkie Walkie
5. Patti Smith / Trampin'


1位のストリーツに関しては言うことないです。何度も聴いてました。比べてみると、これを超える作品が無かったということです。
2位のメリッサ・エスリッジは、日本では特に騒がれることもありませんでしたが、素晴らしいです。彼女のヴォーカルの凄さはグラミーを取った名作"Yes I Am"でよく知られていますが、この作品はあれに負けないくらい曲が素晴らしい。はっきり言って最近のシェリル・クロウアラニス・モリセットの数倍は良いです。間違いなく今年を代表する名作。
3位のコートニーはやはり外せませんでした。プライヴェートの彼女自身は相変わらず(というよりも前よりも酷い)ですが、この作品の歌詞を読めば、そんなことはどうでもいいことに思えてきます。私は、彼女の感じることや、その声・言葉を聞けたことが嬉しかったのです。
4位。個人的には、今年のベストトラックはAirの"Cherry Blossom Girl"なのですが、このアルバムはメランコリックで果てしなく美しくて幻想的な楽曲に溢れています。一般的には、こういうのは女の子に受けが良い音楽なのでしょうが。。。
5位。何気なく発売されたパティ・スミスの通算9枚目。素晴らしいです。かつての彼女にあったロックンロールはかなり薄れていて、ミディアムテンポのナンバーが並んでいますが、そこには深い悲しみや力強さが溢れていて、聴けば聴くほど引き込まれる。でも、何も忘れてはいけないと思いしらされる。

















6. Vanessa Carlton / Harmonium
7. Elliott Smith / From A Basement On The Hill
8. Auf Der Maur / Auf der Maur
9. Fatboy Slim / Palookaville 
10. Savath & Savalas / Manana


6位。女性シンガーソングライターはやはりピアノが絶品ですね。こういう伝統は大切だと思った。彼女の場合は、キャロル・キングジョニ・ミッチェルとは違って、ロリ声で個性を出すことに成功したわけです。メロディと流麗なピアノのハーモニー。弾けるナンバーも◎。
7位。彼に関しては、書くことないです。この順位になってしまったのは、今年は彼の年ではないから。誰も彼がいた場所を埋められないけれど、私の部屋の棚から彼の作品が消えることは永遠にないと思う。さようなら。。
8位。実は、コートニーよりもずっと作品的に良かったりするメリッサのソロ・デビュー作。ヴォーカルの実力は彼女と比べることはできませんが、自分の声に合った作曲能力は見事。さらに人脈の広さも生きて、彼女自身、バックの演奏力も文句なし。グランジ、メタル色の強いメロディアスな作品です。
9位。たまに出る彼の作品はいいですね。ここまで徹底的に存在する音楽というのも良いです。これに対して、明るすぎだとか、アホだとか、そんな当たり前のことをわざわざ口にするな、って。そういうこと。
10位。Prefuse73のスコット・ヘレンの別ユニット。Airに近い雰囲気ですが、実際は全然違う。こういう作品で聴ける、ビートと繊細な音色を追求する貪欲な姿勢には、驚かされます。空いた時間を利用して簡単に作ったようにしか思わせないところも(実際はそんなことないのでしょうが)、肩の力が抜ける心地よい音楽なのです。