Lady & Bird / Lady & Bird (2004)

julien2004-09-04


フランスというだけでなく、いま私がいちばん好きな女性SSWのケレン・アンが、"GANG BANG"ことBARDIと組んだユニット。
バンジャマン・ビオレーと別れた後に、突然全編英語の前作を出した後、どうなっているのかと思っていたら、今度はこんなユニットを組んでたなんて。
あまり情報が無いので、何も書けないのですが、音は、エリオット・スミスに通じるような、暖かいながらもどこかひんやりとしたようなフォークトロニカのチェンバー・ポップ。ゲンスブールからの影響は絶大です。温度の無い春の陽だまりのような世界。
それにしても、本当に怖い。とても美しいのですが、聞いてると鳥肌が立ってくるのです。特に、よく挿入されている子供のような声(ケレン?)が本当に怖い。死を巡っているような歌ばかり。果てしなく狂気の境にあるとしか思えない。
ケレンの素晴らしすぎる2nd"La Disparition"(http://d.hatena.ne.jp/julien/20040217)の続編といった趣きですが、そうだとすると本当に心配になってくる。先日バンジャマンが、奥さん(マルチェロ・マストロヤンニの娘)と共作で出したアルバムに対する恐すぎる返歌かもしれません。
「仲良しのケレンとバードが遊びで作ったユニット」なんて書いてありますが、和気あいあいとこんなものを作れるのでしょうか??
ルー・リードのカバーもあります。でも、ヴァージン・スーサイズの本当のサウンド・トラックは、これなんじゃないかと思えてくる。
死を夢見る少女のためのBGM。