Keane / Hopes And Fears (2004)

julien2004-06-15


「3人はノイズを出すのに充分な数だ」。こうKeaneのベース、ティムは語る。で、何がないかと言えばギター。その代わりに全編を通して曲を支配するのはピアノ。うーん、まるでBen Folds Fiveだね。でも、音はまるで違うんです。
彼らはポスト・コールドプレイと言われているそうです。つまり、一聴すると、ああいう音だってことです。
でも、あんな単純な歌謡曲とは違うと思うんですよね。このバンドの最大の魅力はメロディです。静かだけど、とても深い。いつまでも聴いていたくなるような美しいメロディ。そして、リズムも単調にならないから、曲の印象は変わらないけれど、聴いていて飽きない。
でも、それだけじゃないんだな。彼らがなぜ「ノイズ」という言葉を使ったのかが結構重要なんじゃないかと私なんかは思う。だって、コールドプレイは自分たちの音楽をノイズだなんて呼ばないでしょう。
綺麗なメロディをかなでるのなら一人でも出来るはずだ。でも、ノイズを出すにはもう少しだけ人が必要なのかもしれない。彼らは本当に美しいメロディの後ろ側を実は紙やすりで覆っているように聞こえる。音作りはかなり凝っていて、レディオヘッドあたりを意識してるんじゃないかとも思う。
うーん、どうだろう。少し褒めすぎたかもしれません。でも、買って損はないと思います。今の時代から生まれた深いメロディを感じたい人ならば。
ちなみに、このアルバムは盤によってジャケの色が違います。これはUK盤で、US盤は真っ白。日本盤は黒です。

それにしても、色んなバンドが出てきますね(正しくは、「売れてますね」)。もしかしたらロックンロ−ル・リヴァイバルはそろそろ出口を探し始めているのかもしれません。ロックンロールが歌謡曲化し始めているのは、何も歌謡ロックに限ったことじゃない。いつだってそうだった。80年代のNew Waveの時代に、実際にメインで支配していた音楽がなんだったのかを私は知識だけど知っている。ブリット・ポップ末期も酷かった。
個人的に凄い凄いと大好きなRazorlightThe Ordinary Boysは、このブームのトリを飾る存在なのかもしれません。まあ、私は日々が素晴らしい音楽で溢れていることを期待するだけなんですが。だから、もし、またダメな時代が来たら、過去へと遡るだけだ。今だって遡ってますけどね。

  • My Favorite Tracks

M1: Somewhere Only We Know , M2: Bend And Break , M4: Everybody's Changing

M5: Your Eyes Open , M7: Can't Stop Now , M9: This Is the Last Time , M11: UntitledⅠ