Herman`s Hermits / Mrs Brown You've Got Lovely Daughter (1965)

julien2004-05-22



時々なんですが、「ハーマンズ・ハーミッツとは違う」というような言い方で当時のバンドを紹介してある文章にぶつかります。で、それって「Monkeysとは違う」ってことで、さらに言っちゃえば「Glayとは違う」ってこととたぶん同じなんです。バンドじゃない、ロックじゃない、ってことで、「ロックンローラーは自己の感情の表現者たるべし」みたいなことだと思います。そりゃ、ハーマンズ・ハーミッツはそういう意味ではバンドじゃないし、オリジナルよりはカバーのほうが多いし、当時の人気もアイドルとしてのそれだったようですから、仕方ないっていえば仕方ないのかもしれません。誤解を承知で例えれば、モンパチが売れればロード・オブ・メジャーが出てくるみたいな、レコード会社によって作られた存在なのかもしれません。
でも、ハーマンズを聴いてると、そんなのどうでもいいじゃん、ってことになる。カバー曲の選曲のセンス、どこかラウンジっぽい感じもするぬるいけどメロウな感覚、ハーマンことPeter Noonのほんわかしたボーカルなんかを聴いていると、やっぱりビートルズと同じ時代の空気だ、って思うんです。
私が持っているのはこの1stと2ndが2in1になっているもので、全曲が名曲のオンパレードで、UKのみならずアメリカでも絶大な人気を誇ったのが当然だとしかいえない超ハイクオリティ。彼らが何かを変えたか、って言えばたぶん何も変えなかったのでしょうが、私は言葉にできるものよりも言葉にできない感覚のほうを信じます。すごい幸せ。
ASIN:B000024TEU