The La's / The La's (1990)

julien2004-04-14


「ラーズが復活に向けて始動!?」なんてニュースを見て、嬉しい反面、「本当かよ・・」という思いは振り払えない。確認されてることは、悲劇の天才Lee Mavers(Vo,G)と、彼の親友であり片腕だったJohn Power(G)が、一緒にいるところを最近しばしば目撃されているということで、なんでも、また親友に戻って一緒に何かをしようとしてる、ってことらしい。それが本当なら、今度こそ・・と期待してしまうのは私だけじゃないでしょう。だって、こんなアルバムを残されて、彼らのことを好きにならない人なんていないはず。

ラーズはリヴァプールの星と呼ばれ、ビートルズの正当な後継者と言われ、90年代のUKロックを牽引する存在だとされていたのでした。でも、でした・・っていう部分が重要で、結局、彼らはこのアルバムたった1枚で解散状態になってしまい、天才で妥協を許せないリーは人間不信から薬中になって廃人同然、ジョンは彼に見切りをつけてCastを結成。。。
オアシスのノエル・ギャラガーをして「リー・メイヴァースこそ俺たちの世代の誇りであり、最高のメロディメイカー」と言わしめたリーは、オアシスのサポートを受けてたまに活動したりしたそうですが、内容は散々・・。普段やってることは、このアルバムの曲をいじってるとかそういうことで、もう過去の人しか言いようがない悲惨さだったそうです。でも、まだ40前のはずで、これじゃあまりに救いがなくて悲しすぎる。。。


ただ、アルバムにはそういう悲劇性は似合わない。史上最高といってもいいようなメロディを備えた歌の数々。私たちが音楽を好きな理由を全部歌ってくれた本当にタイムレスな名曲"Timeless Melody"、ジャングリーな"Feelin'"に"Way Out"、そして失恋をしたことのある人なら誰もが涙無しじゃ聞けない"There She Goes"。それらが、どこかレトロだけど、限りなく新しかった乾いたアコギによるフレーズと音色、歪んだリズム、暖かいリーのダミ声で演奏される時、もう本当に永遠を約束された曲になるのです。"There She Goes"だけが言われますが、他のどの曲も本当に素晴らしい。どこを切っても、天才の名に恥じることはありません。

あと、下世話ですが、ラーズの写真を見ると汚い格好をしているのに、グラムロックをやってもいいくらいにみんな綺麗な顔で、とてもピュアな感じがする。若い頃のジョンなんてラファエロみたいな顔してるし。上の写真ではリー(真ん中)だけ変な表情してますが、実際は男前です。

人気があった頃からもメンバー変動が激しかったラーズにおいて、ジョンは常にリーの傍にいました。そのジョンが戻ってきたのだから、リーはきっと立ち直れるはず。私は信じてます。

  • Favorite Tracks

M2: I Can't Sleep , M3: Timeless Melody , M5: There She Goes

M7: Feelin' , M8: Way Out , M9: I.O.U , M12: Looking Glass
ASIN:B00000GB7W