Radiohead / OK Computer (1997)


劇的で複雑な構成が『QueenⅡ』に結構似てるなとか思い、久しぶりに聞いてみました。Oasisが最悪の3rdを出してから急激に失速した後、どんどんロックが勢いを無くしてしまい、世界規模で人気を誇る(実はこの表現、アメリカで売れてるっていう程度の意味なんですが)ほとんど唯一の存在と化したRadiohead
そういう意味じゃ、最近のColdplayがそうなりつつあるけど、個人的には嫌だ。人当たりが良いだけの八方美人的サウンドがなんであんなに売れるんだろう。。。
で、レディヘもこのアルバムの頃は、まだまだそんなことはなかったんです。プログレとしか言いようがないんだけど、他とは比べようがないほどに作り込まれたサウンドは、際立って格好よかった。例えば、ジョニー・グリーンウッドのギターの凄さは、名立たるギタリストたちと十分に肩を並べるものです。あとは、トム・ヨークの書く歌詞で、彼は天才詩人だとか言われて話題を集めていました・・・。正直、私は彼の歌詞が生理的にダメなんですけど、この頃までは「お前のパラシュートは開かないぜ」とか「エアバックが俺の命を救った・・・」とか「お前ら、みんな死んじまえ」とか、病的にひねてる感じはするけれど、まだまだユーモアを感じとれるので結構好きです。最近はあまりに生真面目すぎて、PV含めて、まるで安っぽい説教を受けてる気分になってしまう。まあ、あそこまで堂々とやるのは凄いことなんでしょうけどね。雑誌での発言を見ても、可哀想なくらいに誠実な人であることは間違いないんです。
ただ、最新作ではトム・ヨークが他のメンバーにあまり指示を出さなかったとか、逆に少し心配なんですけど。
好き嫌いはともかく、マンネリ化することなく次々と傑作だけを生み出し続けた彼ら抜きの90年代はありえなかったし、これからも最重要バンドであることだけは間違いないでしょう。
あ、あとこういう音楽は、たぶんロック以外じゃ作れないんじゃないでしょうか。幸せな気分になれる音楽は大好きだけど、誰かが言うべきことをちゃんと言わないと。無茶苦茶な世界に対して戦うためにも、こういう武器は必要だと思いますし。
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