文化庁HPより

こんなのが計画されていたことを知って驚いた。この名称、凄くないですか?信じがたいけど、正式名称だそうです。
書いてあることが真実なら、「国立○○美術館」の○○の部分を考えて、他の「国立西洋美術館」「東京国立近代美術館」「京都国立近代美術館」「国立国際美術館」との違いを際立たせようとしたようですが、こう見ても「国際美術館」といい、今回の「新美術館」といい、どんどん適当に名前が付けられているように思えてならないです。国立なのに「国際」ってどこか変だし、「新」ってさ・・・次はどうすんだろ、「続美術館」とかじゃどっかの時代劇みたいで嫌です。というより、次は無いよ、っていう隠されたメッセージがあるような気もするんですよね。「新」の次なんて出ようがないですから。「平山郁夫大先生」の見識が疑われます・・・
それにしても、六本木のこんな一等地によくスペースありましたね。東大の敷地のはずだけど、その辺りがどうなってるのかも気になる。
あとの問題は展示内容ですけど、要するにフットワークが軽いというか、話題性のある目玉イベントをいっぱい出して人を集めようってことですかね。国立だから、融通も利くでしょうし。ただ、常設展示はどうするんだろう。半端な現代アートは要らないです。ヒルズ内の森美術館では草間彌生を今やってますけど、そういうのばかりは要らない。もっと時に対して耐久性のあるものを置いて欲しい。(別に草間さんがダメとか言ってるわけじゃないんですが。)
施設としてはカフェやレストランもしっかりしてますけど、この雰囲気なら、私は近代美術館のカフェでお堀を眺めながらゆっくりするのを選びます。余談ですけど、あそこのテラスは気持ちいいんですよ。ただ、冬は寒くて最悪。
大体、上野にある東京国立博物館も好きなのでよく行きますけど、あそこの展示物の少なさもなんとかならないんでしょうか。歴史ある世界の大都市には、それに見合った立派な美術館があるものなのです。ニューヨークのメトロポリタンにパリのルーブル、ロンドンのナショナルギャラリーにサンクトペテロブルクのエルミタージュ、北京、台北故宮博物院。日本だって2000年も歴史があるわけだし、素晴らしい文化財はたくさんあります。そういったものを文化として共有できる施設がなければ、忘れ去られてしまう。海外の美術館は美術を学ぶ若い人でいっぱいです。凄く羨ましく思った記憶があります。だって、そこに行けば、いつでもフェルメールレンブラント、ラファエルの本物があるんです。
だからアートもデザインも、どんなに斬新に見えても、ちゃんと歴史と繋がってる部分が出てくるんです。そういう部分が、日本のそういうジャンルの弱さなんじゃないかと思う。まあ、欧米はいまだにオリエンタリズムに支配されてるから、これほど単純な話でもないでしょうけど。

とりあえず、こういう施設を作るなら、今までのものを整理して、さらに良くする意味も込めて、ちゃんとしたのを一つ作って欲しい。そういう世界に負けないような美術館が一つくらいは必要だと思います。