Coralie Clement / Salle Des Pas Perdus (2002)


バンジャマンにとっての唯一のピグマリオンゲンスブールにとってのフランス・ギャルのような意味で)でもある、妹コラリー。
歌のトレーニングとかまったくしないで録音されたような彼女の声ですが、ここでの主役はやっぱり兄バンジャマン。
ケレン・アンや兄貴の作品と比べて目立つのは、完全にラウンジよりなサウンド。ボサノバ、サンバ、タンゴといった、ブラジル系のアレンジに、ストリングスを加えたような音。センシティブだけどとても明るくて、バンジャマンの作品が苦手な人にも、優しく入ってくる音に溢れてます。フランスの明るいカフェにいるみたいな。前述の向風さんが、日本人のために作ったんじゃないか?って言われるのも納得ですが、個人的には大好きですね、これ。
でも、歌詞はとても文学的。「私の部屋の窓は中庭に向けて開く」なんて、内向的な少女のメタファーとしても素晴らしい。
国内盤も発売されているので、そんな切ない歌詞も読むことができます。フレンチ知らない人にも、かなりお薦め。
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