David Bowie / Aladdin Sane (1973)

人気 ★★★★  個人 ★★★★★ Genre : Glam Rock

グラム・ロッカーとしてのBowieを、前作『Ziggy Stardust』と並んで代表するのがこのアルバム。
前作のZiggyは最後に自殺してしまったので(ライブでは活動中)、ここでは彼に代わり新たにAladdin Saneを登場させます。
が、前作のように架空の人物をメインにした作品ではありません(ライブでZiggyがいたためか?)。

曲も前作とは違って、ストレートなナンバーが多いですね。(つまり、あの高音は聞けません)
注目すべきなのはアレンジ。曲の展開がドラマチックで、特にジャズピアニストであったMike Garsonのシュールな演奏のせいか、非常に独特な印象を受けるものが多いです。

ちなみに、Aladdin SaneにはA Land Insane(狂気の国)という意味が隠されていて、この作品がUSツアーの最中に発表されたことからも分かるように、アメリカの印象を歌った曲が多いです。まあ、分かるようにアメリカはかなりダメダメに描かれています。
さらに、The Rolling Stonesの「夜をぶっとばせ」をカバーしたり(この曲の原題は"夜を一緒に過ごそう"で、当時StonesのVo.Mick JaggerとBowieは噂されていた)、Iggy Popについて歌った曲のタイトルが"The Jean Genie"(ゲイのフランス人作家ジャン・ジュネ)だったりと、彼がバイセクシャル発言をした結果、動揺している世間に対する自己表明(というか、悪戯っ気のある挑発か)的作品になっていることも重要でしょうか。

この作品が出た後に彼はZiggyを封印、ライブ活動も辞めてしまいました。が、何故か次に出るのもグラムロックのアルバムなのです。

ウダウダ書きましたが、とにかく文句無しの傑作。傑作だらけのBowieの作品群のなかでも、一番好きな作品かもしれません。