Poulenc / Sonata pour flute et piano

Mathieu Dufour (fl) , Eric Le Sage (p) (1998)


今夜はプーランク。想い返せば、1999年はプーランク生誕100年とかでやたらとCDが出た。これもその内の1枚室内楽曲の全集に収録。ル・サージュのピアノが中心で、彼の仲間やベテランも集結。
どの曲も繊細で優雅で、粋でかつ結構意地悪。僕はプーランクモーツァルトの再来だとはあまり思わないけれど、《田園のコンセール》などを聞いていると、そんなふうに感じる人がいるのも分かる。ただ、日本じゃあまり耳にしない。海外ではどうなのだろうか。
とりあえず、そのなかでも僕がいちばん好きなのがこのフルートとピアノのためのソナタドビュッシーのシランクスやフォーレのシシリエンヌにも負けないフル−トの名曲。初演も素敵で、たった一人の聴衆のためにひっそりと行われたそうです。そしてその人とは、ピアニストのルービンシュタイン。翌日の演奏会に参加できない彼のために、プーランク自らとかのジャン・ピエール・ランパルが演奏。
そういえば、彼の曲は独特の軽さがあるせいか別の意味で「軽い」とされているように思うんですが、そうは思わない。ジャン・コクトーをバックボーンに結成された6人組が20世紀に、あえて古典的な形式を取ったのは懐古趣味とは違うはずで、結果的に彼の曲がシャンソンの礎を築いたことが、彼を軽んじる理由になってるのなら、クラシックはポップスをバカにしすぎてるんじゃないかしら。あと、この演奏が一流どころを集めすぎてかえっていまいち、とかいう人達は、初演のランパルに失礼です。