Faure / 管弦楽曲全集

Michel Plasson / Orchestre Du Capitole De Toulouse etc..(1979)


買っておいて良かったと思うディスクの一つ。フォーレ管弦楽曲の全集2枚組。今では当然のように廃盤。
フォーレといえば、レクイエムか歌曲(夢のあとで、など)が有名。けれど、あれだけリリカルな人だけに管弦楽の曲も和音といい構成といい、メロディといい繊細で美しい。自己主張を抑えながら、ひっそりと確かに息づいているような、他にはない音になってる。
この中で人口に膾炙しているのはペリアスとペリザンドのなかのシシリエンヌ。フルート独奏で有名で、誰でもこのリリカルなメロディは耳にしたことあるはず。
ちなみにこの全集の存在価値がありがたいので文句はいいにくいですが、プラッソンの指揮は、ちょっと饒舌。美しいのですが、ドビュッシーラヴェルに較べて、曇った音こそがフォーレの音楽。そういう意味では、ちょっと定型のロマン主義的な印象を受ける。もう少し波を抑えたほうがフォーレの音形がくっきりとして美しくなると思うのですが。ただ、私のそういう趣向は日本的なのかもしれない。全体的にはとても良いし、何より美しい演奏です。