Ravel / Rapsodie Espagnole

Charles Dutoit / Orchestre Symphonique De Montreal (1981)


帰宅してNHKのBSを付けたら、なぜかムーティ特集。で、ひたすら管弦楽曲。ファリャからヴェルディまで、ムーティの好きそうな派手な曲ばかり。ヴェルディはさすがに良かった。そして、ラヴェルのこの曲もやってましたが、個人的には彼の指揮はどうにも苦手なので。軍隊じゃないんだからさ。そのリズムやめてよと思うのです。
やっぱりラヴェルはフランス系の演奏家のものがいい。モントリール響は、カナダといってもケベックなので当然にフランス系。で、デュトワ。この人の演奏は繊細なのに、結構熱い。そこが、ラプソディに微熱を与えていて凄く良い。
ただ、値段の理由でこれを選んだ記憶もあるので、個人的にはクリュイタンスのものも聞きたい。
ラヴェル管弦楽曲といえば、とにかく「ボレロ」が有名で、あとは涙の名曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」。で、それを聴くと、なぜか王女マルガリータの肖像がイメージに出てきて、ラヴェルの天才的なオーケストレーションにベラスケスの色彩を感じるのは、聴いた時に知っていた情報がそれしかなかったから。
スペイン狂詩曲はそれとは全く異なった印象。もっと幾何学的なラインで描線が引かれていくような、そのラインの上で色彩が爆発するような感じ。もちろん線を引くのはイングリッシュホルン。で、その辺で、デュトワは本当に巧い。夜と祭りの騒がしさの絵画的な調和。
なぜだか、気分的にラヴェル聴いている時の感覚やイメージが最近は気持ち良い。明日はピアノ協奏曲でも書きます。