Weezer / Pinkerton (1996)


Styles : Punk-Pop , Emo , Alternative Pop/Rock
先日MTV見てたらUSチャートに新曲が入ってた。でも、なんか違うんだな。しっくりこない。通称グリーンアルバムでの復活以降は、2ndの不評が嘘みたいに売れまくりでパワーポップといったらレベルなのになんか違う。
というわけで、久しぶりに2ndを引っ張り出して聞いていたんですけど、今のリズムに不思議なほどに馴染む。やっぱりこのアルバムは本当に良い。全曲が最高。
この人たちの曲って基本的に情け無いというか、ダメな主人公ばかりなんですが、そもそもパワーポップ自体、ナードというかヲタク顔したミュージシャンばかり。で、ギターポップの繊細でロマンチストなメンタリティが開き直って、無理矢理に強がってるような雰囲気がそうそう、それだよ、みたいにいいのであって。レッドクロスにしてもジェリーフィッシュにしても、芸術家なんだか変人なんだか分からない。なんか情けないのに、もう好きにならずにいられない。
明るいだけじゃなくて、どうしようもない情けなさが染み出ちゃうわけで、その辺に私はやられるんです。一緒に泣いたり笑ったりしたくなるから。
奇怪語を飛ばしまくって、キッチュなことに自覚することもできない掲示板の寄生虫とは違うわけで。ウィーザーは太陽は嫌い、なんて言わないでしょう。恥ずかしいからこっそり散歩してたら、そのまま表に飛び出していた、って感じ。とにかく強がってます。
なんかアメリカらしいなぁとか思う。モテルモテないとか、良い悪い、とかなんでも極端なんでしょう。だから、強がってることが凄く分かりやすい。曲がってるのも分かりやすい。でも、そこが凄く良い。だって強いなんて錯覚だから。彼らは、ちゃんとそれを良く分かってます。俺は俺だから、とか意味不明なこと言わない。俺は強い、と虚勢を張る。でも、本当は僕は弱い、分かってよ、と次の瞬間には言う。だから、分かりやすいの。
そりゃ、みんな好きになるなる。だからチャートでも強い。でも、実は真似するのが難しいんだ。すくなくとも私には無理です。