何も分かってない

julien2005-07-05

感じる、そんな風に言葉にするとなんて簡単。でも、イメージからのものはそんなに巧くいかない。丘の上には城があって、牢獄がその地下深くあるといふ。

ふわふわしたものをリアルに感じていたのが、とても幸せに思えた。どこか遠くに感じるのも、寂しいとかそんなものではなく、フェイクのファーの手触りみたいに、少しちくちくする、そんな感じ。
遠くに来た、と感じるのでなく、本当にどこか遠くへ行って、そこで風を感じたりすることはあったのだろうか。実際は少しも居場所が変わらないのに、でも、色々なものを遠くに感じたりする、時間は流れて、罪重なって。火を付ければ、空を焦がすほどに燃え上がる。

そして、雨のように花が降る、そのなかをまるで幻のように兵士が進んで倒れて、そして消える、沈む。暗い目の見てきたものも、水面に浮かび上がると、実際は、修正が必要なほどに溢れるリアルなもの。

感性の修正、見えるものも見えないと言う。焚き上げられた麻の煙、感じるものをすべてだと言う。
「あなたの思うまま、望むまま、ただ見えるものだけを信じて。」
10年前に言うべき言葉。あなたは嘘がほんとうに上手。
そして、返ってくる言葉が闇に彷徨う。「何も分かっていないのね。」
忘れることを思う、忘れる、帰ってくる。見える、あれはみんなここにあるのだろう。何もかも本当に。永遠に、欲しいものはまだたくさんある。