とりあえず

やはりライブドアが勝ちましたね。形式的には判例通りの結論だったのですが、ここしばらくのニッポン放送の行動が影響した部分もあったんではないでしょうか。
昨日のニュースにあった株主名簿の名義書き換え拒否とか、株主の権利を無視しているような言動が目立ちましたし。金融庁の反応などを見る限りは、現時点では時間外取引に関しても違法だとはされていないにも関わらず、「違法な取得」に対する書き換えは認めないだとか、株主の権利を無視することが多すぎます。今日の仮執行処分で、株主の権利への侵害が重要なテーマだった以上、自分たちの行っている行為が権利侵害であることをかえって強調することにしかなりません。認めたところで、今日の処分によっては圧倒的有利に立てたのだから、大人しく認めるべきだったでしょう。裁判官の心証への影響も多少はあったのではないでしょうか。
さらに信じがたいのは、今後の対応のなかで、ニッポン放送が所持する会社財産を処分することで、ライブドアに実質的な利益を持たせないようにすることが挙がっていたりしますが、これは商法に完全に違反します。こうした決定には、資本不変原則から、株主総会の特別決議が必要ですし、ライブドアが45%もの株を持っている以上、決議できるわけがありません。勝手に行った場合、取締役は連帯して損害賠償責任を負います。
まあ、こんなことは当たり前で、取締役の判断で会社財産を減少させることが簡単にできるわけがありません。なぜって、会社に金を貸している債権者にとっては、株式の間接有限責任性から、会社財産にしか執行できないからです。さらに、会社の価値が下がれば、株価も影響を受けますから、株主にとっても重大な影響を受けます。
なんというか、こんな程度の取締役しかいないことに衝撃を受けます。会社への社員の愛情だとか、それも大切なものですが、もう少し論理一貫とした方針が欲しいところです。


あと、外資の影響だとかそんなことばかり騒がれてますが、トヨタやホンダといった企業は、欧州やアメリカで絶好調です。で、彼らは海外の国にとっては「外資」以外の何者でもないわけで、外資をまるでエイリアンのごとく恐れているこの国はなんなんだろうかとも思いますね。
違法行為を行っているのなら、インテルのように公正取引委員会などによって裁かれるのであって、正等な手段で進出するのは経済では当たり前のことでしょう。これに対しては、つまらない精神論ではなく、負けないような経営をして、ユーザーに望まれるようなサービスを提供すればいいんです。トヨタなどが行っているのはそういう努力でしょうが。そして、そういう企業が勝つのは当たり前のことです。外資とかそういうことは、本質的な問題ではないと思いますね。