Laura Nyro / Eli & the Thirteenth Confession (1968)

julien2005-01-05


Styles : Singer/Songwriter , Soft Rock , Pop  評価 : ★★★★★
女性シンガーソングライターといえば、キャロル・キングジョニ・ミッチェルが双璧。あまりに素晴らしい曲、歌詞、サウンドを生み出すので、まだ聞いたことの無いアルバムを聴くのが楽しくてしょうがない人たちなのですが、最近知って衝撃を受けたのがこの人。間違いなく、この二人に対抗できる数少ない人の一人。
それにしてもこれが1968年の作品とは思えない。何よりもまだ21歳だった女性の作品とは到底思えない。シンガーソングライターなんて言葉がはっきりとは存在していなかった時代に、ニューヨークで一人、彼女は何を見ていたのでしょう。
ジャズやブルーズ、R&Bの雰囲気を強く漂わせながら、そのメロディは心の奥底へと無限に響いていくよう。どこまでも研ぎ澄まされていて美しく、澄み切った夜の空気のような気品があるのです。なんて美しいポップスでしょうか。そして、そこには彼女の特徴である静かな夜の背景が広がっていきます。曲調がダークで静かだというわけではけしてないのに、ただ夜としかいえないような何かが彼女の曲には漂っていて、私に何度もため息をつかせます。
そして彼女のヴォーカル。抑揚の付け方はその後のシンガーたちへの影響絶大だそうですが、まるで光と影を自在に音にしていくようです。
こういう作品こそ名作と呼ばれるもので、多くの人の傍にいつまでもとどまっていくのでしょう。まるで世に溢れる「傑作」たちがが自然に身を引いていくような感覚に襲われます。この存在感。。
すでに亡くなっているのが本当に残念ですが、残されたアルバムはまだたくさん。