ちょうちょ

ヒルデカダンに生きるのだとか勝手に決めて、ワイルド、ランボーユイスマンスロートレアモンに朔太郎、放浪・放蕩・引篭の生活をしてたのに、今年の4月から急転直下。
おそらく人生で最高に絶好調なんだと思う。ブルーな夜は何も変わらないけど、思考・行動・発想、何から何まで絶好調。
何をしていて、何をすべきなのか、確信(妄想)アリで突き進む。次から次へと先に進める。
何より嬉しいのは、今まで捨て切れなかったガラクタが、宝石のように輝き始めたこと。何もかも捨てなくて良かったんだね、やっぱり。
昔の私は、あの最低な高校時代に真っ黒の幼虫から緑色の幼虫に変わり、蛹になったままいつまでも脱皮せずに篭もっていたけど、あんな寒い冬に飛び出して、羽も伸びないまま落ちていくのが恐かった。
子供たちは大人になって、外から眺めては私の無変化を笑ってたけど、そこらじゅうにみんなが捨てていったものが散らばってたよ。悲しいことばかりだ。
「俺は今は歩きたくない。だって、道端にはひっそりと花が咲いているのに、誰も目を向けたりしないじゃない。それを見ていたいってことの何が悪い?エスカレーターにでもなんでも乗っていけばいい。僕は今はこの花を見ていたいし、何より意思とは無関係にどっかへ運ばれていくのは死んでも嫌だ」
とか。まあ、こういう戯言を言ってたのはいつのことだか。
その後は、蛹のまま、あっちに行ったりこっちに行ったり。動けたことが不思議。花から花へとまるでチョウチョ。でも、花の名前さえ覚えてない。虚しい。

いや、繋がるんもんなんだね。もう何も恐くない。風を受けたって、羽が折れたりしない。アナスイの蝶々柄の定期入を見たって、もう自虐的になったりしないよ。あれもこれも、みんな私の宝物。バタフライで突き進め!