Nelly Furtado / Whoa Nelly! (2000)


なんだか久しぶりに書きます。
彼女はカナダ出身。サラ・マクラクランが主催した”リリス・フェア”の常連、ポルトガル移民の子、トリップ・ホップの独特な咀嚼、グラミー賞まで獲得。。ですが、自分はほとんど無関心でした。何よりその年は、本当にまともに音楽を聴いていなかったように思えます。
それを思い知るように、このポップスの真ん中を突き進むようでいて、それだけでは終わらない彼女の音楽が、この4年間を超えて不思議に響くのです。

聞いていて、これこそポップスの理想型、と考えたくなるのは、彼女の音楽的素養の深さと、それらを絶妙なバランス感覚でポップスとしてまとめあげるセンス、そして可愛くて柔らかくて、深みさえも兼ね備える歌声の魔法だと思う。「トリップ・ホップ=暗い」なんていう先入観は、軽く吹き飛ばされます。けれど、ただの明るいだけのポップスに終わらないのは、通奏低音のようにブルーな感情が、深いところで流れているからでしょうか。何度聞いても飽きることのない名曲ばかり。横になってこちらを静かに見つめるジャケットの彼女も綺麗です。アンニュイに空の青を想うならば、彼女の音がそこには必要。