ライン

julien2004-11-13

夢の途切れを意識的にしていると、刹那のイメージに満たされるだけで終わってしまう。
目の前に引かれた境界は、声のしない部屋で決められたもの。数多の人々の運命を決めてしまった冷たいラインが私を躊躇させる。
地図を前にした地理学者のよう。想像力は視界を塗り替える。けれど、たとえ翼があったところで、そんなものは空から見えない。
街に溢れた金属の破片が、自分たちの行き先さえも決めてしまうように、私も冷たい自動装置に身を任せてしまおうか。

言葉が生まれない関係を後にして、私は自分の感情に耳を傾ける。指が動き出せば、後は夢が代わりをしてくれる。ブルトンの魂が望むなら、私は汚辱を美に変えられるというのに。


永遠を望む頃は、それを手にしえないことを知りすぎていながら、他は何も知らなかった。だから、私は呪うことさえ容易にできたのだ。
けれど、諦観を超えた欲望は、無知を抑える術さえ手にしてしまう。脳髄を流れる血流は、魂さえも支配する。
私は満たされるために、何かを考えている。

一本の煙草に火を付ければ、しばらくして消えてしまう。けれど揺れる煙のぼやけた線は、視界を遮る。
考えることも書くことも、一瞬。時のラインが目に見えればといつも願うよ。