Riot Grrrl

90年代の怒れる少女。ライオット・ガール・ムーブメント。
ニルヴァーナの成功で産業資本の中心になってしまったグランジを尻目に、狂気のように女性であることを政治的に、フェミニズムとして叫ぶ少女たち。
彼女たちの音を聞いていると、コートニー・ラブはなんて可愛いんだとか思えてくるのが不思議。
このムーブメントで面白いのはジョーン・ジェットがカリスマになったこと。
彼女が率いていたランナウェイズはビスチェ姿で歌うことで、明らかに女性性、特にセクシャルな部分に意識的だったことに間違いはないのですが、それが90年代にこういった形で炸裂したのは面白い。
地域的には、シアトル/オリンピア、ワシントン・エリアがほとんどで、地域的な爆発にとどまったことも、アンダーグラウンドの切なさを感じる。
音の基本はグランジを吹き飛ばすようなノイズ・パンクで、勢い余って、雑多な無駄なグループを多数排出して数年で消滅。生き残りバンドが少ないこともパンクとしか言いようのない爽快感を覚えるが、ビッグ・ネームになったバンドも少ない。勝手に「マイナー」に分類されて評価されないのは、評論も男中心だからじゃないのか?
特に日本での評価は低すぎで、まずCDが流通していない。中古屋で彼女らのCDを見つけるのは至難です。これもしょせんロック好きは男ばっかで、そういう男連には、彼女らが怖いんでしょう。
結果的に、このムーブメントにとっての「ポスト・パンク、ニュー・ウェイヴ」は生み出せなかったことが少し切ない。しかし、後続への影響は絶大。ただし、アヴリル周辺に吸収される程度の少女連が主流なのは、時代の常で仕方ないんでしょう。

代表グループは、Bikini Kill、L7、Huggy Bear、Babes in Toyland、Team Dresch、7 Year Bitch、そしてSleater-Kinney。