渋谷

AKと昼過ぎまで渋谷にいた。カラオケも楽しかった。最初はジーン・ヴィンセントとかエディ・コクランとかこんなの入ってるんだ、って曲を歌って、途中からはネタばっかり。演歌とか初めて歌ったけど、こんなに楽しいもんだとは思わなかった。
最後は普通に歌ったけど、演歌を引きずってヴィヴラートがこぶしになってしまったりして笑ったけど。
その後、昼間の渋谷に目的もなしに滞在。
考えてみればそんなふうに渋谷にいるのも久しぶりだったんだけど、違和感を覚えたりして、もう渋谷の住人ではなくなったんだ、とか思ったよ。
あの街に歩く人たちって、なぜか「住人」に見える。
実際はみんな遠くからやってきてあの街の風景になるんだろうけど、普段は何をしてるんだろう。
そんな風に思うのは、風景だった頃の自分を考えてみたいからなんだけど。


きっと、あの頃の私は「場所」が無かったから、渋谷が楽しかったんだと思う。
でも、どこかに立ってると、逆にあの街で違和感を覚えてしまうんだろうか。
場所を探す人には、自分でいようとするから、あの街は快適なのだろうか。
渋谷系の時代を私は知らないけれど、あの街の奇妙なリアリティは私が知っている頃から少しも変わっていない。


渋谷が不思議なのは、センター街と、他の場所では空気が違っていることだと思う。
公園通り方面や、道玄坂Bunkamura方向は、特に違和感を覚えることはない。
そこに挟まれた場所、つまりセンター街・宇田川町なのだが、あそこの不思議な空気はどこから来ているんだろう。
人か?
女子高生たちによって作られた空気に周りが合わせているのかもしれない。
あそこにわんさかいるギャル男君たちは、私には百万光年離れた惑星の住人のように感じるのだけど、彼らは絶対に寄生虫ではないとしても、ムードに乗っているんだろうなと思う。波に乗るのが好きなのかしら。

・・・・

私は自分が思っているよりも、ずいぶん遠くに来たのかもしれない。