空の色と風の囁き

なんだか変。忙しさにかまけてるのか、色々忘れている気がする。考えることすら忘れてる。
池袋の空の色は今日も変わらない。きっと一年前も、ずっと前も同じ色だった。
負けるものかと思うが、かわすことをスタイルのようにしてきた自分にどこかでまだ頼っている。それは蛹から羽だけが出てないからなんだろうか。
でも、電車の中に迷い込んだ蜻蛉のように、僕は見えないガラスの外を求めているのかもしれない。

負けないことは少しも楽しくない。でも、勝つことが楽しいわけじゃない。何かを見誤っている気がする。勝ち負けなんて考えも望みもしてないから、なおさら無意識に世界を見誤っているのかもしれない。

なんだろう。声だけじゃなくて、もっともっと必要なのかもしれない。
ふと思うけれど、昔見た夢は今と繋がっているんだろうか。忘れてしまったものが多いな。なるべく静かにしていたかったのは、抱えているものを落としたくなかったからなのかもしれない。本当に大切なもの以外は、あちこちに落としてきてしまったのかもしれない。
遠くにキラキラしているのはそういうものたちで、もう取りに戻ることはできないのかもしれないよね。

それにしても、あの人たちの髪をなびかせていた風は最近じゃ何も囁いてくれない。僕は今も同じ声で語れるのだろうか。