イラク戦争:死亡米兵の45%は貧しい小さな町の若者

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040719k0000m030083000c.html
かつての黒人兵のことを思い出します。「かつて」と言えるかどうかも微妙ですが、そういう事情も大して変わってないんでしょうね。貧しい出身でエリート軍人になれない人達が、前線や危険地域に派遣されているんでしょう。
彼らを、学費援助や海外勤務といった経済的見返りを求めての入隊なのだから、「ハイ・リスク、ハイ・リターン」の原則で、こうなるのも止むを得ないというように思う人はいるでしょう。けれど、戦争で危険を負担することに、軍隊内部での差があるのは悲しいことです。
先日ブッシュは、キューバを指して「売春観光地」と指定し、「世界で最もひどい人権侵害をしている」とか言ってましたが、自分たちは平気で平等権を侵害してるじゃないですか。
戦争の善悪はともかく、戦争とは国家行為であり、その体勢が民主制で支えられているのなら、その危険を負担することに国民は公平でなければならないと思う。憎しみが共有されて戦争が始められたのならば、悲しみも共有されねばならない。そうしなければ、戦争を推し進める体勢への批判にはならない。けれど、現実には生まれや経済力の違いで、背負わされる危険にこれほどの違いが出ている。軍の規則で定められていることだとは言っても、その規則自体が差別や偏見を内在している。煽られた憎しみの陰で、悲しみは拡散していく。僕にはマルチチュードに悲しみほどのリアリティを感じられない。。