悠然と時は流れる

id:quawabeさんが東京の街の構造について書かれています。http://d.hatena.ne.jp/quawabe/20040712

特に自分は、子供の頃に千代田区の隼町に住んでいたので、
あの周辺の景色がよみがえって浮かんでくるようです。

隼町、平河町紀尾井町、麹町、永田町、一番町、二番町、四谷。。
こう並べると、とても綺麗な響きの街の名前ばかり。
町の名前を見ているだけで、昔を思い出します。
これらの町は、皇居から四谷を通って新宿まで続く新宿通り沿いにあります。新宿通りを横軸にすると、皇居が東端、四谷が西端で、その間の地域です。この辺りです
皇居の半蔵門から四谷までは徒歩12,3分ほど。この狭い区画に、これだけの町があります。江戸時代には武家屋敷が軒を連ねていたところで、この場所が僕の少年時代の世界でした。
皇居周辺が日本の政治や経済の中心であることは、当時には何の実感もありません。そして、それは今でも変わらない。僕にとっては、とても小さな世界で、懐かしい匂いがする場所です。平河町の平河天神や、憲政記念館の庭が遊び場でした。下町ではなく、江戸が密かに息づいているんです。でも、それはあまりに感覚的な壊れやすいもののようで、現実的な感じがしません。

あの場所に、確かな生活があったことが不思議に思えてきます。
1年程前に、あの周辺を歩く機会があったのですが、少しもあの空気が変わっていなくて不思議でした。はじめてのお使いに行ったお店もそのままでした。
小学校は麹町にあって、区立なのに越境する子が三分の二という不思議なところで、自分の家庭は普通のサラリーマンでしたが、周囲は、有名料亭の息子や、土地成金など、上流(というか金持ち)の子弟が多い不思議な場所でした。なんなんでしょうね。学校は創立120年、校舎は築50年以上という物凄いものでした。2.26事件の際には、青年将校を隔離したといういわく付きの部屋が半地下にあったりもしました。でも、その校舎はもう有りません。今は近代的なものに変わっています。でも、町並みは元のまま。坂と一方通行の多い町はあの頃のまま。
初めてのお使いの店で煙草を買った瞬間に、時間がゆっくりと流れるのを感じました。
なんだろう。僕は一体どこまで歩いてきたんだろう?