Bad Company / Bad Company (1974)

julien2004-04-25


ジャケの格好良さにまず惹かれ、最初の"Can't Get Enough"のぐれいとなイントロ聞いて、ソウルフルなヴォーカルとメロディに心まで持っていかれそうになりました。
少しだけですが地味な感じはします。紛れもないハードロックなのに、リズムがタイトに引き締まっていて、情熱がほとばしるような激しい感じは(ツェッペリン辺りと比べると)それほどしないので、曲によっては、まるでジャズかAORを聞いているような気分にもなります。それは全体の雰囲気のなかにピアノの存在がさりげなく効いているせいなのかな。ブルース・ロックと言ったほうがしっくり来るような感じですかね。とにかく、メロディアスでポップな曲が多いです。
元FreeのPaul Rogersが中心になって、クリムゾンやモット・ザ・フープルのメンバーで結成された彼らは、要するにブライドフェイスのようなスーパーグループで、おそらく最初から売れることを約束されていたグループなんでしょうね。それは英国人なのに、やたらアメリカを感じさせるメロディに象徴されていると思うんですが、実際に世界で1200万枚売れたそうです。
演奏も抜群、バンドとしてのサウンドも最高、曲も素晴らしい上にバカ売れするんだから文句の言いようもないですね。ただ、これもQueenと同じくパンク直前の作品だと考えれば、当時の子供たちとの間には温度差があったとは思います。
ただ逆に言えば、パンクが売れないと言われていたアメリカでパンク全盛の現在、もうこういうのを聴きまくってる若者はアメリカにもあまりいないんじゃないか、って考えると、ちょっと悲しくもあります。自分の好きなものにこだわるのもいいんですけど、色々聴いてみるのも楽しいな、って最近は思ってます。
ASIN:B000002JSL