Oasis / Definitely Maybe (1994)


ブリット・ポップの時期の代表作と言えば、アメリカでもバカ売れした2ndのほうなんですが、彼らの登場を意味づけるっていえばやはり1stは外せない。
ビートルズに似ていると言われてたそうですが、いま聞くとそうでもないです。ソニーのCMにも使われた「Whatever」(アルバム未収録)が一時期のビートルズを思わせることから出てきた話なんでしょうね。
こうして1stを聞きなおしても、サウンドは意外とハード寄りで3rd以降の硬化も自然な流れだったのかと思わせる。ただ彼らの魅力は素晴らしいメロディにあるわけで、やはり最近のオアシスは昔の輝きを取り戻せないでいると思う。
フロントマンのギャラガー兄弟の傍若無人ぶりと、寡黙なバックメンバー(全員辞めてしまいましたが)の対比は、そのまま音になって表れています。今回気付いたのは、ギターで全ての曲を手がけるノエル・ギャラガーのギタープレイの多様さで、この頃はやりたいことがたくさんあって生がなかったんだなと感じさせます。
ノエルはThe La'sが大好きだったらしく、彼ら90年代前半の一翼を担ったリバプールシーンを受け継いでるのは間違いないんですが、聞き込むと同じ頃の「マンチェスター」ダンスビートを消化してる感じもします。
オアシスにはスタンダードなロックチューンが多い気がしてたんですが、結構多彩だったんだと驚きます。「俺は俺でなくてはならない」っていう「Supersonic」の有名な歌詞が、音による自己探求と一体化してたんですね。でも、極端な個人主義だよね。こういう発言が支持されたことのほうが興味深いんですが。
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