Happy Mondays / Pills 'n' Thrills and Bellyaches (1990)


バカバカしくなってきたんで、こういう日は享楽的で能天気な音楽を聴いてみる。
凄いタイトルだなと今でも思う。完全なるドラッグ讃歌。ロックでドラッグっていえば、サイケデリックロックの歴史があるわけですが、例えば初期の初期のビートルズの『サージェントペパーズ』とかピンク・フロイドの1stあたりと聞き比べると、凄い変わりようでびっくり。正しくはサイケデリックじゃなくてアシッド・ロックって言われます。細かく言えば、80年代後半にシカゴで生まれたハウスがUKにも導入されたってことと、それと一緒にレイヴカルチャーとエクスタシーが入ってきたってことが原因だとは思います。
でも、こういう音楽が流行りまくって「マンチェスター・ムーブメント」としてUK中を席巻したっていうのも、凄い時代だったんだなと思う。そこら辺の事情は映画の『24hours Party People』を見ればよく分かるんですけど、クラブ音楽中心の現在は、間違いなくここら辺の音楽から来てるんですね。
この映画のタイトルは、当時マンデーズに付けられてたあだ名から来てるんですが、毎日パーティー三昧、セックス、ドラッグ&ロックンロールが日課だったというような生活がもう滅茶苦茶だったという意味では、過去のロックンローラーたちの系譜に位置してるんだとは思う。最近のロッカーっていい人が多いよね。

ただ、最近のロックしか聞かない人には、こういうのは聞けないんじゃないか、って気もするんです。たぶんハウスやテクノを普段聞いてる人たちにのほうがすんなり入ってくる気がする。。ニューウェイブの多様性のなかで、もう何がロックなんだが分からなくなっていた時代の後に流行ったわけですからね。ブラック好きのディスコ人間だけじゃなく、ロックの流れのなかにも踊りまくるのが大好きな人たちを産み出したって意味でも、まさに歴史的作品。プライマル・スクリームの『スクリーマデリカ』と一緒に聞いてみてください。まあ、色んな意味でヤバイ作品ですね。