Jeff Beck / Truth (1968)


3大ギタリストと言われてますが、ジェフ・ベックってどこか地味なんですよね。テクニックに関しては3人のなかでも最高と言われていながら、他の二人が歴史に残るような名作を出しまくっているのに対して、どうも地味。リアル世代でもなんでもない私がそう思うのは、彼にはインスト中心のアルバムが多いってことが理由なんですけど、それはどうもこのグループがすぐに解散してしまったからのようです。ベックにとってトラウマ化したらしい。
アルバム表記ではソロ名義になってますけど、正しくはジェフ・ベック・グループ。何よりメンツがとにかく凄い。ギターは勿論ベックで、ボーカルがRod Stewart、ベースがRon Wood(現ストーンズ)、ピアノがNicky Hopkinsという、強烈極まりないメンバー。
インナーを読む印象だと、一緒にバンドをしているというより、みんなでベックのサポートをしているという感じがします。ベックヤードバーズを辞めた理由も、彼をスターにしたかったマネージャーの思惑が絡んでいるようだし、彼のソロとしか受け取れないグループ名もそうだし。。もしジミー・ペイジのように最初からバンドを作ろうとすれば、もう少し違うものになったかもしれません。少なくとも、ツェッペリン並みのバンドになったことは間違いないと思う。
ロッドのボーカルが凄いのは勿論、それを引き立てるようなベックのギターも渋くて最高。超絶テクニックなら、現在にも凄い人がいますけど、当時は彼が最高だった、それを忘れちゃいけません。それより、このブルースの匂いがするプレイは、今じゃ誰もできないんじゃないかしら。テクニックばかりが言われますが、そういうのを無視してはいけない気がします。
M8の「Beck's Bolero」は、なんとジミー・ペイジ作曲で、ギターがベック、12弦ギターがペイジ(ツェッペリン)、ドラムがキース・ムーンThe Who)、ベースがジョン・ポール・ジョーンズツェッペリン)、ピアノがニッキー・ホプキンスと、なんだこりゃという顔触れ。当時の人間関係が垣間見えて面白いんですけど、ペイジは当時は優秀なスタジオミュージシャンといった印象が強かったそうですし、ツェッペリンの発想をベックから盗んだとか言われるのも頷けますね。

どうも自分はハードロックが嫌いみたいに思ってたんですけど、棚を見ると結構あるんですよね。要するに、あの皮ジャン着てドクロだらけなのが、えらく醜くくて嫌だったってことで、サウンド自体は好きなんだと思った。毛嫌いしないでもっと聞いてみようかな。
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