Mazzy Star / She Hangs Brightly (1990)

julien2004-02-27


忘れられてるのか、伝説化してるのかどっちか分からないけど、とにかく地味ながら、一部での人気が衰えないマジー・スター。
私は数年前にスタジオボイスのバックナンバーで知りました。ノイズ特集の号で、裸のラリーズ、メリーチェインにマイブラ、Spacemen3らと一緒に紹介されてました。まあ、これをどこまでノイズと捉えるべきなのか微妙な感じですけどね。ノイズの一般イメージとは違う意味で、残響音が静かに響いている感じでしょうか。
「ペイズリー・アンダーグラウンド」というムーブメントが80年代の終わりにあったそうで、そこでの中心人物David Robackが、そのムーブメントの終了後に結成したのがマジー・スター。
彼らの音は、カントリー調なサウンドに、タンバリンやハーモニカ、ペダルスチールギターで作り上げたサイケデリアの世界。歌姫とも言われるHope Sandovalの歌は、温かみとエロティックをあわせもったもので絶品です。喧騒の裏側にある静寂なサイケデリアが詰まっています。家で一人静かに聴くような感じで、まあ、サウンド自体はかなり地味ですけどね。

3rd『Among My Swan』が人気ですけど、ジャケットが好きなのであえて1st。モノクロの静溢な空間のなかに凝った意匠と螺旋が潜むこのジャケが、彼らの音を示しているように思います。
シンプルながら、Slapp Happyのカバー曲があったり、ヴェルヴェッツのギターリフが引用されていたりと多様。
ここで音的にはすでに完成されているので、だんだんポップになっていくっていうくらいで、サウンド自体に変化はそれほどないです。
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