Pixies / Surfer Rosa (1988)


太っていることが長所になる、なんてことをロックで実現したのがピクシーズのボーカルBlack Francis。
ピクシーズはたった4年、アルバム5枚で解散したけれど、カート・コバーンにも影響大だったりする。今聞いても、フランシスの巨体を活かした奇天烈な歌唱法は驚きだし、ノコギリみたいなJoey Santiagoのギターは格好よすぎだし、後にBreedersを結成するKim Dealも、ポップにしっかり個性を出してる。
彼らの曲は無茶苦茶ポップなのに、サビの盛り上がりかたに独自なものがあって、曲構成もギタープレイも結構変だったりするけど、私はDavid Loverringのタイトでリズミカルなドラムがしっかり支えてるからこそ、3人の個性が活きてるんだと思うな。
とにかく音のメリハリがしっかりしてて、テンポの使い方も絶妙に巧い。メンバー間のバランスが完璧な天才バンドですね。
聞いただけでグランジへの影響は間違いないけど、音的にはっきり言ってまったくの別物。アメリカ・オルタナティブの真のオリジナリティは、間違いなくピクシーズなんだと素直に納得。
これは実質的な1st(ミニアルバムを入れれば2nd)で、M1からM2への繋がる部分なんて、ため息出るくらいに格好いい。捨て曲は勿論一切なし。他のアルバムも全て名盤なので、どれを聞いてもいいんですけど、やっぱり最初の2枚が完成度は圧倒的かな。
ロック好きで彼らを聞いたことがない人は間違いなく損してます。
ASIN:B00005LAGO