The Housemartins / London 0 Hull 4 (1986)

The Smithsフォロワーの中では最高のグループが彼ら。そんなにそう紹介されることはないけど、ボーカルスタイルといいThe Smithsの影響は小さくないと思う。
音は、ビートがしっかり効いてて、スミスよりも明るいです。一言で言っちゃえば、ギターポップの定番ですね。どこかBen Folds Fiveっぽい感じもします。明るいだけじゃなくて切ないメロディーもしっかり入ってて、日常のなかにしっかりと根を下ろせるタイムレスな一枚だと思う。信じがたいんですけど廃盤なのが、残念な限り。この辺りは、ギタポ自体のマイナーさのせいなのかな。

でも、でもですよ、ビ−トルズのことをですね、私はギターポップだと思ってるんです。彼らのことは大好きですけど（アルバム全部持ってるし）、The Holliesを聞くまでは、ビートルズってなんなんだろう？ってずっと思ってました。似てる音ないじゃん、って。ロックなんだけど、ロックっぽくないというか。例えば、The Rolling StonesとThe Who、The Kinks、The Spencer Davis Groupとかって、似てるんです。でも、同時期で、並列的に語られるビートルズはちょっと違うんですよね。
要するに、ビートルズが最高のグループって呼ばれる理由は、間違いなくメロディにあるわけで、音だけでいえば、そんなにビートルズの後継者っていないんじゃないかと思う。ビートロックからフォーク、サイケに至るまであまりに色々な色彩で音を表現をしたから、その一部一部じゃ影響力は絶大だけど、みんながイメージするビートルズの音って、他のバンドにはそれほど見かけないよね。「Whatever」の頃のOasisがそう言われたのも、或る時期のビートルズに似てるってことだし。
ビートルズの凄さは、あれほど綺麗なメロディの曲を大量に生み出したってことに尽きると思うし、音楽的には全然違うMando Diaoのグスタフが「ビートルズ最高」って言うのも、メロディへの賛美なんですよね。

で何が言いたいかって言えば、ギターポップって綺麗なメロディの宝庫なんです。もっともっと評価されてもいいんじゃないのかな、って真剣に思う。Fountains Of Wayneが去年、すんばらしいアルバムを出したら、結局みんなそれに降伏するしかないっていうのも、それは降伏というより幸福なことなわけで。でも、売れるギタポバンドって、ファウンテンズを除けば、あとはWeezerくらいしかいないわけで。最近じゃ、The Thrills、Rooney、Delaysといった綺麗なメロディを書くバンドがちょこちょこいたりして、消滅することはないんだよね、って思わせてくれるけど、でも、それでもなんか扱いが小さい気がするんですよね。
まあ、美少年(今のバンドではDelays、Rooney)かオタク（weezer、Fountains）か、要するにフニャフニャした男がやってる場合が多いので、一般的に共感しにくいって言えばそれまでなんですけど。

ちなみに、The Housemartinsのメンバーは、解散後にボーカルがThe Beautiful Southを結成して、いまでも活躍中ですけど、いちばん有名になったのが、ベースのノーマン・クック。言うまでもなく、Fatboy Slimの彼です。ハウスというか、クラブ・ミュージックの重鎮の原点がギターポップにあったってことの意味は小さくないと思うんです。やっぱり最高の音楽ってメロディなんだよ、って意味で。

追伸：調べたら再発されてました。
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