The Libertines / Up The Bracket (2002)

julien2004-02-13


The Strokes以降のRock'n Rollリヴァイバルのなかで生まれた最高のグループ、って言っても私だけの意見じゃないと思う。初期衝動に任せた勢いに、メロディメイカーとしてのカールとピーターの才能が溢れんばかりに炸裂した、アートパンクの傑作。
音はガレージっぽくガリガリしてるけど、実はものすごくチャーミング。セクシーさでは、Jetに負けるけど、こんな可愛いガレージって、ほとんどいないんじゃないのかな?これには、ピーターのロマンチックな文学的歌詞が大きいんだと思う。もう一人のフロントマン、カールは二枚目な最高のチンピラなんだけど、そこに中性的なピーターの存在があるから、こんな音になるのかな。といって、去年の騒動の中心にいたのはピーターで、カール宅への侵入罪で逮捕されて、そこから復帰するまでのお話は、できすぎた友情物語みたいで泣けるのです。
私はピーターが大好きなので、どうしてもえこ贔屓が入っちゃうんですけど、インタビュー読んでても、本当に純粋で、泣く時も怒る時も、真っ直ぐなんでしょうね。
ぶっちゃけ演奏は下手です。でも、テクニックとかと無縁なところにパンクの誕生があったわけだし、Sex PistolsThe Jamの1stと比べても、彼らは遥かに優れた作品を作っちゃったわけで、これは単純に才能なんだろうか、それとも、他の何かが作用してるんだろうか。
とりあえず、もうすぐ出るはずの2ndまで、首がキリンになってます。こないだのシングル「Don't Look Back Into The Sun」も素晴らしい曲で、プロデューサーが、元The Clashのミック・ジョーンズから、元Suedeのバーナード・バトラーに代わったせいもあるのか、ガレージっぽさは少し落ちてます。アルバムは、どうなるんだろう。音的に私を裏切っちゃってもいいよ。ハートは分かってるんだから。