Air / Moon Safari (1998)


『Versin Suicides』のサントラでもメランコリックでロウファイな感覚のサウンドを聞かせてくれたAirですけど、やっぱり1stの素晴らしさがあってのものなのでした。テクノのなかでは、Goldfrappと並んで凄い好きですね。狂気の沙汰といってもいいくらい。あのソフィア・コッポラが惚れ込む理由はすぐに分かりそうなものです。ドリーミーで甘美で、もし、そこに憂鬱さや死を聞きたければ、ヴァージン〜を聞けばいい。
今月の終わりに新作が出るということで、先日MTVで聞いた新曲も大変よかったし楽しみでしょうがないんですけど、とりあえず1stをヘビロテして、哲学の現在なんか考えることから離れよう。

「僕たちはこの世界が好きじゃない。だからそこから脱げだしたいんだ」
「僕たちが作っているのは夢見心地の音楽。夢の世界さ」

こんな台詞を言いながら、これだけお洒落でロマンチックな曲を書くAIrはやっぱり大好き。セクト的過激さとも、ヲタク的陰鬱さとも無縁で、でも柔らかくクールでセンシティブで、なにより本当に美しい。