犬も歩けば棒にあたる

julien2004-01-10

火曜までのレポートと同日にある発表の準備で、かなり欝になってますが、何より嫌なのが、発表の際に使うテクストの酷さ、これに尽きます。
社会哲学の入門用テクストなのですが、様々な分野がそれぞれ10p程にまとめて紹介されていて、講義のなかでいままで扱ってきた部分は、それなりに整理されていてまったく問題はなかったんです。
取り合えず自分の担当が「国家」だということは知っていたんで、土壇場の昨日になってから、どんな視点でまとめられているんだろう、って感じで読んでみたんです。したら、これがとんでもなく酷い代物。。。

まず、国家について語るはずなのに、書かれてる内容が公共性だと言うありえなさ。国家は公共性ですが、公共性は国家じゃないだろう。
まあ、一言で言ってしまえば、国家について10p程度でまとめられるわけがないんです。
でもね、それでも政治学を一切排除してしまったら、どうしようもなくなってしまうのは当然で、なら最初から、国家なんてくくり方をする必要はないわけなのです。
もう「公共性」でいいじゃないのさ。哲学では、国家よりも公共性についてのほうが、ずっと語りやすいわけだし。
でも・・ですよ、公共性を語るなら、最低限の前提で、古典のアーレントハーバーマスを参照しなきゃいかんわけなのに、ほとんどなし。代わりに、アリストテレス(何年前の人間ですか)、フランシス・フクヤマ(そういや、そんな人いた)、佐伯啓思(苦笑)、小林よしのり!(爆笑)なんだから、言葉を失ってしまう。
それも、筆者の個人的感情から、戦前の愛国心を批判したいだけなんですよ。小林あたりのバカはほっといていいから、入門書の体裁だけでも取り繕えよ、と声を大にして言いたい。
それ以上は求めない。学者なんだから、せめてアーレントくらい読めよ、とかももう言わないから、私をいらつかせないで。にしても、要約するのが死ぬほどに辛い。

はあ・・・「国家」=人々の必要を満たす共同体?
典型的な功利主義的発想。いまさら「最大多数の最大幸福」もないもんだ。気楽なジイサンが羨ましい。ロールズも知らないんでしょうね。ああ、悲しくなってくる。
Pavementでも聞いて、壊れながらやろう。