さよならには早すぎるけれど

私は田中宗一郎という音楽ライターが好きで、彼が作っているsnoozerという雑誌を毎号買っているのですが、特集が予想できなくてそれがまた楽しいのです。
その最新号の特集は「iPODで音楽は変わるか」

個人的な話なのですけど、PC買い換えた結果、HD容量が桁外れに増えたので、持ってるCDを全部ぶちこんだんです。
その後PCで聞くことが多いのですが、色々試していて、これほど音楽の聴き方が変わるのかと自分でも驚いていたので、今号の特集は本当にタイムリー。
自分が感じていたことがこれからの音楽全体に関わってくるんじゃないのかってことで、仲間を得たみたいで嬉しいのです。

こればっかりは実際にためしてみないと分からないと思いますが、要するにレコードなりCDなりのメディアを通して聞くと、アルバムという単位で聞くことになります。だから、他のアルバム収録の曲を聴くには、一度メディアを変えなければなりません。
それがPC上では、アーティスト別に自動的に編集することもできますし、アルバムの単位も編集レベルでは残るので、いままでの聞き方を維持しながらも、それを無視して曲単位でも聴けるのです。他の曲と比較するのもすぐに出来ますし、要するにDJがやるようなことを誰でも簡単に出来ます。


これは日本ではまだ環境が出来てはいないのですが、曲も配信で買えるようになると、従来のCDメディア中心の社会は変わらざるをえないと思います。
コストがかからなくなる分、値段も安くなりますし、プラスティックという環境破壊アイテムを減らすことにも繋がります。
勿論、マテリアルとしてのディスクは私自身も好きですし、全てをデータとしての音楽にしてよいのかと言えば、議論の余地は残されますが、それでも間違いなく配信中心の社会になると思います。


あと、廃盤になって入手できなくなるという心配もありません。データとして保存しておく分には企業としてもコストはかかりませんし、後はそこから欲しい人間が購入すればよいのです。
宇田川町や各地の中古盤屋を捜し歩くということも無くなるでしょう。名曲が倉庫の奥に眠り続けることもなくなるということです。
さようなら、CD?


実際にどうなるかはまだ断言できませんが、アメリカで実際に起こっている状況を考えてみる限り、日本でも遅かれ早かれ、そうなるのは確実ではないでしょうか。
音楽好きにとっては、悪い社会にならないとは思いますよ。