ポップス奥の細道 〜十九日目

103 The Drifters / "Save The Last Dance For Me" (1960)

104 The Drifters / "This Magic Moment" (1960)

105 The Drifters / "Dance With Me" (1959)

106 The Drifters / "Under The Boardwalk" (1964)


プラターズと並んで(それ以上かも)偉大すぎなコーラスグループ、ドリフターズ
日本のドリフの長さんがグループ名を拝借してしまう気持ちが分かりすぎ。4曲じゃ全然足りません。それも、本当はもっと前に登場して当然のグループですし。というのも、上の曲のリード・ボーカルは勿論、ベン・E・キング。ただ、彼らの前にも前期ドリフターズというのがありまして、実質は全くの別グループなんですが。
彼らとプラターズを聞き較べると、当時のR&Bがドゥワップからソウルへと変化していくのが分かります。コーラス=ドゥワップ、R&B=ブルージーというのは50年代の話。サム・クックレイ・チャールズら天才の登場で、ブラック・ミュージックも激変する。
何より素晴らしいのは、時代が生んだポップという感覚と、ブルーでソウルな感覚が絶妙に混じりあうこの凄さ。こういうのは理屈じゃできません。気合や根性だけでも無理。もっと柔軟でしなやかで、かつブラック伝統の感覚を完全に自分のものにしているような人じゃないと無理。
こんなにしなやかに強くて柔らかい感覚があるのかっていうくらいに最高の103。これで彼らがポップスに登場する。あとは、言葉いらない。とんがりすぎなくても全然平気。本当に104「魔法の瞬間」。最後のダンスは僕のために取っておいて。これ以上の言葉って要る?

107 Ben E. King / "Spanish Harlem" (1960)

108 Ben E. King / "Stand By Me" (1961)


リーバー&ストーラーは、ルース・ブラウンにプレスリー、コースターズ、ドリフターズにまで曲を提供したソングライラーコンビです。
107は彼らと、フィル・スペクターが一緒に作ったもの。これをソロ転向後のベンが歌って大ヒット。そして、その彼らとベンが一緒に書いたのがスティーヴン・キング原作映画の主題歌で、誰でも知ってる108。個人的には、史上最高の曲の一つだと本気で思ってる。
これ以上は何も言うことないですね。