斃蝋血餌のこと

最近は資金難から、ジュンク堂横のカフェ・ヴェローチェが大変ありがたい場所で感謝なのですけれど、今日は違いました。入店して5分、いつものように勉強していると、背の高い木下藤吉郎みたいな顔した店員がやってきて「勉強は他のお客様の迷惑になるのでおやめください」。
むむ、言っていることが意味不明です。
理由を聞くと、「とにかくご迷惑ですので」の一点張り。こんなとうへんぼくなモンキーに何を言っても無駄なので、無視して勉強していました。

まあ、
「勉強する」→「長時間いる」→「他のお客が入れない」
ということだとは思いますが、こういうのは合理的関連性がない、っていうんです。
実際は、単にお店が回転悪くて儲からなくなる、ってだけでしょ。
で、それは売り上げを上げて、社長の覚えめでたく出世したい、みたいな個人的欲望、というか欲求が根本。そんなに出世したけりゃ、草履でも胸に入れて暖っめてろよ、サルめ。

でも、「長時間いる」ってことだって、勉強している人が出て行かないっていうのは統計的なものであって、くっちゃべってようが本を読んでようが、普通に1,2時間いるじゃないですか。カフェって、そんなふうに色んな目的で人が利用する場所でしょう。
私は30分で講義始まるから、小腹を満たすために入ったのが目的だったわけで、なんて酷い店かと思った。でも、直接「出て行け」って言えないから、類型化して堂々と文句言える人を作ってるだけ。

「そういうこと言われると、すでに入店した「お客様」の迷惑なんですけど」とか言い返してやろうかと思った。「すでに金を払った客にはもう用はない、はよ出てけ」、そう言ってるのと変わらないじゃないですか。
壁を見ると、確かに「飲食目的以外の商談及び勉強はおことわり」なんて書いてある。
でも、あの店の周辺には大学受験予備校も多いわけだし、レックもタックも近いから、珈琲を飲みながら勉強したい人はいっぱいいる。でも、そういう人にはまるで利用するな、って言ってるみたい。自分がやらないことには、気にもならないのかな。

それに、カフェって「飲食」だけの場所なの?
なんて精神の貧しい店だと思った。外形だけ小奇麗にして「カフェでござい」なんて顔してたって、ヨーロッパのカフェ文化を微塵も分かってない。フランスでもイギリスでも、革命はカフェから起きたんだぜ?「自由がいちばん」とかいって恩恵にあずかったモンキーも幸せそうだけど、カフェってそれを影で支えた、そういう場所なのにさ。気付けばサルの惑星かよ。歴史の流れって悲しいね。あ、やっぱり日本人なら喫茶店に行くべし、ってそういうことかしら。
さよなら愛しのヴェローチェ、短い間だったけど、幸せだったわ。あなたのことは忘れる。