押し売りお断り

自分、というものに囚われすぎているような人を見ていると、ジクジクと胸が痛みます。嫌味になるので本人には言いませんけど、まるで昔の自分のようで。
実際は、自分が思っているほど自分なんて絶対的でもないし、まして同一なものでさえない。周りにいる友達や大切な人のなかにも、その人たちそれぞれにとっての「私自身」がいるわけだし、今となっては、そういうたくさんの自分を受け入れたほうがずっと自然だと思います。
「私はこうなんだ」と人に押し付けるのは、結局は自分自身に対して不安があるからでしょう。私を受け入れてもらってない、って感じるのかもしれない。
でも、受け入れてもらえない場合は、そんなこととは関係ないし、色々な自分がいたところで、自分自身は何も変わらない。
私にとっての私がいて、あの人にとっての私もいる。
そうやって色々な自分を見つけられるほうが、楽しいと私は思います。そうやって、いろいろ教えてもらえるから、誰かの存在ってとても大切な気がします。

私のなかにだって別の私がいて、私はそれを戯曲の登場人物になぞらえたりしていますが、頭とは別に何かを感じている自分がいるのなら、その想いだって、紛れもない私自身ですから。
そうやって、少しづつ歩いてきて、少しづつ多くのものを受け入れられるようになっていく。その繰り返しだと思うのです。