The Fiery Furnaces / Blueberry Boat (2004)

julien2004-12-16


ラフ・トレード所属、「燃えるようなかまど」という名前を持った、NY在住のフライドバーガー兄妹が中心のバンド(てっきりユニットだと思ってました)。
本人がThe Whoのオペラを意識して製作したという発言したり、ルーツとしてブルーズを挙げたりするせいか、とっても硬派なイメージをもたれそうですけど、聞いた私が連想したのは10ccの『Original Soundtrack』。絶対的に近いと思う。前衛なのにポップでキュートなお芝居みたいなアルバム。
でも、架空の映画のサントラとして作られたというあれに比べると、こっちはもっとファンタジック。でも、一筋縄じゃいかない。ポップなんだが何なんだか分からないくらい、キルトのように繋ぎ合わされたメロディたちが次から次へと物語を語り続けます。
特徴は、とにかく曲が長い。視聴して参考にならないって意味では最強かも。。8分くらいの曲が5つもありますが、それを含めたどの曲も、ほとんど別の曲としか思えないくらいに別のメロディをくっつけられて一つの曲になっている感じ。3分くらいの曲が1曲のなかに同居してるんです。
要するに、これは新種のプログレですね。
妹のボーカルは結構ブルージーでちょっぴり可愛い。でも、それ以上に兄貴が構築した音の世界がほんっとに個性的。いろんな音楽の要素が混ざって、でもそれが一つの世界を作り上げてる。聞いていると、様々な景色が見えてきます。このアルバムが売れるとは思えませんけど、私は凄い好きですね。エレクトロだろうがブルースだろうがパンクだろうが、なんでも大好きって人には凄く素敵な作品になると思います。