花唇

julien2004-11-11

戒めが今にも破れそう。肌のすぐ先に何もない状態が、消極的に自分を抑えていただけなのかしら。
彩りが散りばめられた処、恵の雨の降る処では、自分がどれくらい無力なのか思い知らされる。
久しぶりに花を眺めた感覚。こんな雨の日には、花弁の桃が一層映えて見える。

Jardin de DarkLady et Bon


それにしても、花には意思なんて無いように見える。今をただ美しく咲いているだけで、けして場所を選んだりしないように。
けれど、こうしている間に、今にも誰かが引き抜いてしまいそう。
しかし、私の部屋には花瓶がない。あの日に割れてしまってから、この場所に花弁が散ることはないのです。
もう、目を閉じたほうがいいのかしら。繰り返すだけのこの感覚は、私を優しく殺す。