Makin' Time / Rhythm And Soul (1985)

julien2004-08-13


パンク旋風が吹き荒れる78年は、モッズ映画『さらば青春の光』が公開、同年のジャムのデビューによって、なぜかこの時期にモッズブームが再来します。
マートン・パーカスやシークレット・アフェアーあたりがネオ・モッズとしては有名なんですが、見た目からそうとしか呼びようが無いのがこのメイキンタイム。
ポスト・パンクなんてなんのその。ニューウェイブの一角を確実に担ったポップ勢のなかで、カルチャークラブと格好良さと音楽性の両立で比肩しうるのは、真剣に彼らだけだと思う。スキッズもスクイーズも、センスは抜群ながら全然クールでスタイリッシュじゃない。
見た目の格好良さも抜群の彼らですが、音においてはパンクの疾走感とモッズの美意識を完全に両立。ソウルフルなボーカル、卓越したメロディセンスで、今聞いても圧倒的に格好良い。ドアーズの「ハートに火をつけて」を意識した曲なんかもあって、彼らのセンスの確かさを感じたりします。
"Here Is My Number""Feels Like It's Love"のような超名曲から、"Eating Up the Cold"の必殺のトランペットが炸裂するナンバー、"Nothing Else"のような重いベースの効いた、どこか切ないジャジーなナンバーまで捨て曲一切無しの奇跡のようなアルバム。
ちなみに、ベーシストは後にシャーラタンズのメンバーになります。
しかしながら、この名盤も完全に廃盤状態。ポップファンは中古屋を探し回る日々でしたが、ボーナストラックも加わった編集盤が去年発売。
廃盤にならない内に真剣に購入をオススメします、本当に。