On the turntable

演奏が終わった後のレコードみたい。回ってるけど音は出ない。聞こえてくるのは空回りするリズムだけ。
欲しいものはあるけど、それも子供のようにすぐに忘れてしまうものかもしれない。
いつも同じ道を通るとあった綺麗なものは、いつしか見飽きた風景のなかに溶け込んでしまった。
玄関の花にも気付かなくなって、でも、それでも僕は夢を見ている。なんとなくじゃなく、とてもはっきりとした夢を見ている。
でも、そこにいる人の顔は見えない。
だんだん何かを愛するハートを忘れてしまいそう。何もかも消えても、それだけが残っていればいいって思ってた日が、はるか後の小さくなってしまった人影の傍に留まっている。僕は一人で歩きすぎたのかな。